ネバーランドで生きる君たちへ

適当なことを適当に言ってます。

祝杯をあげる

現時点での自分の心情は今のわたしにしか分かり得ないので、適切ではない表現を多々使用していることは承知しつつ、インターネットの海に放流させてください。デビュー、本当におめでとうございます。


デビューが発表された瞬間、目の前が真っ白になって、メンバーが中央に集まり円陣を組んでいく様子が、まるでスローモーションのように見えた。嘘みたいな比喩表現だが、わたしにとってはそれくらいの衝撃だったのだ。

約4年半前、Aぇ! groupという存在と出会ったころ、本当に本当に失礼なことを言うと、デビューはしないと思っていた。反面、デビューしてほしいなこの子たち、とも思っていた。この辺りの感情と思考は相反するものの共存し得る難しいところで、当時はスノストトラに加え、彗星の如く現れたなにわ、スノストトラに追随するHi美がいたし、同じバンドスタイルを持つ侍もいた。それこそ8.8やMステなどで如実に現れていた〝序列〟なるものを考えると、正直厳しい、と勝手に思っていた。
今振り返ると、なにわがデビューを勝ち取ったあたりから、なんだか流れが変わってきたのだと思う。
もちろんその〝流れが変わってきた〟と感じるにあたってさまざまな出来事が積み重なっているのだが、正直本当に、なにわのデビューが起点だったなと思う。全て今振り返る過去のエピソードであり、どうとでも言えると言われてしまえばそれまでの話だ。だけど今振り返ると、どうにもあそこが起点であるように思えてしまう。
トラビスのデビューを知ったぴあアリ二日目の早朝、絶対に次のデビューはAぇに勝ち取ってほしいと強く願った。あの時点でAぇ担がそう思うことはなんら不思議なことでもなかったのだろうけれど、少なくともわたしは、彼らに出会ったころを振り返れば、よもやそんな願いを強く抱くこと自体とてつもなく凄まじい意識の変化をいつしか遂げていたのだ。

そういうわけで、そのいつかの日を待ち侘びていて、信じてもいたくせに、言われた瞬間何も考えられないくらい頭が真っ白になったのである。

おめでたい。本当に嬉しい。彼らにとっての悲願であり、わたしの中でいつしか強い願望になっていた彼らの夢を掴む瞬間に立ち会えたのだ。これ以上のことはない。早くCDが買いたいし、FCにも入りたい。デビューコンだって行きたい。発表初日はそんな感情でいっぱいだった。今だって、その感情は継続している。

翌朝、さまざまなネットニュースが彼らのデビュー発表を報じる中で、ソロショットが貼られているポストがあった。最初に見たのは3枚。無意識に、もう一つのポストも3枚だと思ってしまっていた。開いた瞬間見えた2枚の写真に、彼らはもう5人になったのだと、わたしの中で初めて、現実的に直視することとなった。わたしは、そのポストを開くまで、3枚の次は3枚だと思い込んでいた。頭の中では、もう彼がいないことを理解していたはずなのに。

12月の話に戻る。あの日、いまだに忘れられない12月30日の午後8時過ぎ。解雇と脱退を知った瞬間の感情。怒りと憤りと深い悲しみ、苦しみと混乱。今もなお明かされない理由に悶々とする年末年始。
いちオタクには想像できないほどの葛藤があったに相違ない。それでも、葛藤を切り捨てざるを得ないこの強大なプロジェクトは、結果からすれば、当然頓挫させるわけにはいかない。彼ら以外の人たちの生活にも関わる、本当に大きなプロジェクトだから。
公演中に「やっと」言えたと聞いたとき、咄嗟に、ならば彼は知っていたのだろうかと思ったが、混乱のあまりそのときはすぐに消えていた。そして翌朝、指し示していた通り、約半年ほど前に彼らに伝えられていたらしいことを知る。そりゃあ、5人は前に進むしかないし、前を向くしかないし、後ろ髪を引かれたところでどうにもならないよなあって、どうしようもない気持ちになった。

ごめんね、やっぱり6人がよかったなって、思うよ、無責任なオタクだから。いつまで経っても明かされない、暴かれることもない真相に見切りをつけて、詮索しないと心に決めて、前を向いたフリをした。でも3枚の写真を見て、もう片方も3枚の写真が添付されているはずだと思い込んでしまうほどに、わたしは全く彼らが6人ではなくなっているという現実に向き合えていなかった。6人がよかったね。だけど、彼らが一番そう思っているのだろうなと思うと、あまり声高に言うことも憚られてしまう。
6人で、立ってる京セラドームも見たかったなあ。時間は戻らないから、5人が最高のものを届けてくれて、最高なプレゼントをしてくれて、当然、大切に大切に受け取っているつもり。だけどあともう少しだけ、思うことは許して欲しい。デビューが決まって嬉しい、頓挫しなくてよかった、だけど6人で迎えている姿もやっぱり見たかったね。今だけはそう思わせて欲しい。
ごめんね、物分かりの悪いオタクで。

 


大変余談だが、デビューの報を聞いて、降りようと思わなかった自分にも安堵した。わたしには満足癖があり、こうなって欲しいという到達点に達したり、こうあって欲しいもの願ったところに届いたりした瞬間、安心して、気持ちが離れてしまうところがあった。昔からそうだった。だけど、当然のようにわたしは彼らの今後に期待しているし、希望に満ちている。わたしは、わたしが思っているより彼らのことがよっぽど大好きらしい。わたしはわたしを全く信じていないので、本当に心の底から安堵した。心置きなく、彼らを好きだと言っても許されるかな。